Diary:6月あたりから見たアニメとか読んだ本とか
読んだ本とか観たアニメとか、雑記です。
小説
辻村七子「螺旋時空のラビリンス」
螺旋時空、その言葉から察せる人もいるでしょうが、SFタイムリープもの。
かつラブロマンス。むしろそっちがメインかもしれない。
これを読む前に伊藤計劃作品を読んでいたので、正直かなり分量・質量ともに重いものを予想していたのですが、SFとしてしっかりしつつ、軽い読み口で仕上がっていてとてもよかった。こう綺麗に世界観を描けて、平易な文体でというのは純粋にすごいなと。
野村美月「下読み男子と投稿女子」
作者は”文学少女”の野村美月。タイトルから文学少女を想像してしまったけれど、作者が作者だったので「おおっ」となりました。
読了して感じたのは、悪く言えば野村美月らしい構成で話がまるっと予想できてしまうところで、よく言えば安心感を持って読めるということ。
うーん、もう少し構成を凝ってほしかったというのは欲張りでしょうか。
ただおそらく作者の経験をもとにした部分もあるだろう主人公の蒼君とヒロインの氷ノ宮さんのやり取りは引き込まれるし、伏線の貼り方・回収も綺麗の一言、これは彼女にしか書けないものだと感じました。
伊藤計劃(虐殺器官・ハーモニー)
どちらも救いがない、ただ美しいなと。
こう、感想が出てこないことがつらいですね。
どちらかというとハーモニーの方が好みでした。でもどっちも好き。
新書
原田泰「ベーシック・インカム」
1.2.3章ともに本筋から外れる部分の論理展開には首を傾げたくなる。ちょっと適当言い過ぎではと思わなくもないですが、著者のBiの議論の出発点は「直観的に貧困をなくせるとわかる」だろうという感じだったので仕方ないのかな……とは。
ただ、2章富の分配の正当性という問題、3章の本題であるB・Iの実現可能性の考察は面白かったし興味深かった。
難点があるとすれば、新書という形態上仕方なかったとは思うのだが、全体的に議論の叩き台レベルという印象は否めない。もう少し厚く、かつ案山子殴りのような批判への反論ではない内容を固めたものを読んでみたい。
……とはいえ立場上いまは忙しそうなので暫くはないかとも思いますが。
従来Biに興味のある人は3章だけ読めばいいかなと思います。
坂井豊貴「多数決を疑う」
現在政治をはじめとして、日常の様々な場面で多数決という手法が用いられるけれども、果たしてその手法は何にでも使える手法なんだろうか。
例えば達成できもしないような耳触りの良い政策を述べてどこかの政党の議員が当選したとして、結果としてそれと真逆の政策を行ったとする。その時問題があるのはその議員や政党だけなのだろうか、実はそうせざるを得なくしている原因は、その決定手法、多数決にあるのではないか。
そういった問題意識から始まる本著は、その多数決の理論的欠陥・現実問題として発生している欠陥を指摘し、新たな選択ルールを提案する。
社会的選択理論は数学的な話ではあるけれども、文系の私にも理解しやすくまとめられていて、ぐいぐい読み込めました。
過去アニメとか
作画にもストーリーにも癖有、でもそれがたまらなくいい。インサイトに期待。
暗い(面白い)
シンフォギア
なにこれめっちゃあつい……。
ニコ生一挙で視聴。ところどころシュールな部分はあったけど、それを焼き尽くすような熱さでした。
6月はあまり本も読めず、とくになにをした覚えもなく。うーんという感じ。
ここから少しずつ読書量を増やしていきたい(願望)。です。
以下ほんのりんくとか
ベーシック・インカム - 国家は貧困問題を解決できるか (中公新書)
- 作者: 原田泰
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2015/02/24
- メディア: 新書
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下読み男子と投稿女子 -優しい空が見た、内気な海の話。 (ファミ通文庫)
- 作者: 野村美月,えいひ
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン
- 発売日: 2015/06/29
- メディア: 文庫
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