歯痛がひどいblog

とくに歯痛については書きませんが日々歯痛に悩まされる人が書いているブログです。たぶんアニメとか読んだ本の感想が中心になってくると思います。

アイドルマスターシンデレラガールズ6話感想ー島村卯月をストーキングするー

・はじめに

 アイドルマスターシンデレラガールズ6話について今更並の感想です。記事自体は6話放送当時に別所にて公開しました。

 6話は簡単に言えば挫折回であり、3話の美嘉のライブで魔法をかけられた(成功体験を受けた)NGsが、その魔法から覚める(失敗をする)という回。

 これまで思うところはあったものの特にブログを書こうとかは思わなかったのですが、6話に関してはいまいち島村卯月先生に視点を当てた感想がなく、もやもやしていたのでそれならば自分で書こう、ストーキングするのだ! と思った次第です。

 

・何故島村をストーキングするのか。

 基本的にこの回の主役は、本田未央でしょう。彼女がニュージェネのリーダーとしてユニットを引っ張っていく様子が何度も描かれますし、最終盤に3話のライブとのギャップに一番苦しむのも彼女です。故にもはや感想が出尽くしているという印象もありますし、わざわざ記事にしなくても良いかなと判断しました。

 どちらかというと私が今回の話で気になったのは卯月の方でした。ニュージェネに対照的に描かれたのはラブライカだった(第一歩を確実に踏み出した➤素直に喜ぶ)と思いますが、しかしニュージェネの中でも卯月はどちらかというとラブライカに近い位置づけにあったのではないかと思います。またところどころ表情がクローズアップされますがその表情が印象的だったのでそこらへんを考えてみたいなと思いました。

 そのため本記事では普通の女の子としての島村さん、その自己主張のなさ、6話での問題点、そしてこれからという形で進めていきます。

 

・島村さんは普通の女の子である。

 そもそも”島村さんは普通の女の子”です。

 ダンスの練習に遅れ気味なのも、ある意味当然だと言えます。確かに美嘉のバックダンサーとして役目を果たすことができた、とはいえ彼女はまだアイドルになったばかりの新人なのです。それもシンデレラプロジェクトの他のメンバーよりも遅くに。

 未央・凛と比べると基礎的な能力が幾分劣っているような描写がありますが、どちらかといえばこれまできちんとしたレッスンを受けてきていないにも関わらず、3話のダンスや今回のライブを成功させるだけの才覚や能力があるこの2人が常人離れしているだけと考えた方が妥当でしょう。現に6話では個人練習をしている描写があるのが卯月だけになってしまいました。ただ努力して、成功させたのが普通の女の子たる彼女なのです。

 

・3話と関連して。

 その意味で3話での「まだ早いんじゃないか」という武内Pの指摘は当たっていました。特に能力的なことを言えば卯月にとってデビューは早かったのです。なぜなら彼女は才能や能力で言えば”普通の女の子”だからです。また3話から繋がるところであるとすれば、衣裳部屋での「これって冬のライブの……!」一言。ほかの2人にしてもライブ会場にいたような描写はあるものの、以前のライブに関して関心を持っていたような描写はありません(ニュージェネでは)。

 

・問題点、卯月の自己主張の少なさ。

 依存、というと言葉がきついかもしれません。ただ徹底的に受け身の姿勢なのは確かです。

 アイドルになるという1話、凛を動かすのは彼女ですが、彼女自身がアイドルになれたのはどちらかといえば武内Pが顔を知っていたから。おそらく彼女の顔を楽屋にあいさつに来た時に見ていたということでしょうか。そして2話、自分から引っ張ろうとするものの、レッスンで一人だけミスをしてしまいます。3話では先輩への挨拶、最後の部分などある程度主体性がありますが、ライブ前等ではむしろ凛が引っ張る場面が多い、というより未央や凛を頼る(見方によっては縋るような)ことが多いですね。

 全話に登場し、出演シーンも多い彼女ですが、意外と自分の意見を主張したり、自分から行動したりすることは少ないように思います。たぶん穿ちすぎな気はしますが、1話で私は何をすれば! と武内Pに聞いているシーン等も当てはまります。私もああいう風に輝きたい、という漠然とした目標はあるけれど、明確な目標は未央のように持てない。能力も初心者の凛に負けている。そういったコンプレックスがあるのかもしれません。

 

・島村さんの他者への過剰な共感、依存。

 顕著に表れたのが6話なのかなと。今回の話で彼女は、インタビューもダンスもラジオも、ライブ前ですら、他の2人の力があったからこそ乗り越えることができました。だからこそ主体性の持った行動ができない、行動や意見に関して他者に共感し、依存してしまう。

 恐らく6話のライブの失敗において、未央と凛と異なるのはここです。彼女は美嘉のライブの成功経験から勘違いしてしまっているのではありません。彼女がデビューライブで美嘉のような舞台を無意識に想定することはないでしょう(恐らくアイドルがデビューしていく様子も養成所時代にみているのではないでしょうか)。規模を勘違いしてしまった未央、そしてその未央に励まされたことから未央に共感、依存してしまった。ただ未央の勘違いが解け、調子を崩してしまったために、未央に依存していた卯月の失敗を誘因となったのではないでしょうか。

 

・ラブライカとの共通点、普通のアイドルとしての卯月。

 ただし、卯月のその他者への共感という面に関しては悪い面とは言えません。彼女は共感というならニュージェネ以外にもにもしているからです。5話にみくにも、6話で言えばラブライカにも。ライブへの意気込みも、緊張もラブライカと共有し共感しています。武内Pの「第一歩です」――その言葉を言葉通り受け止め、3話の成功経験があったにもかかわらず、このライブでアイドルとしての一歩を踏み出そうとしていました。そういった意味で、どちらかといえば新人アイドルとしてのラブライカと共通点が多かったのが卯月なのかなと。主体性がないわけではなく弱いだけ、たぶんそれは普通の女の子だからなのだと思います。だから本来は階段を一歩ずつ登っていくべきだった、でも無理をしていたために依存という形になってしまった。結果としてラブライカとは対照的に、第一歩目を踏み外してしまいました。

 

・共感という長所、結論として。

 こと卯月さんのことを言えば、現状すでに階段を一歩抜かしをして、失敗してしまっています。そのギャップをどうやって埋めるのか、またこれから一人のアイドルとしてどうなっていくのかがポイントになっていくのかなというのが問題なのかなと。

 なんだか批判しているような感想になっていますが、しかし彼女は凛をアイドルにさせる程度には輝いています。それが少し弱い光だとしてもあの笑顔はとても輝いていました。共感もしますが、彼女は共感をさせる力を持っています。未央のように自分から引っ張ることはできませんが、背中を押すことはできているのです。だからこそ他者への共感を優先してしまう彼女に。未央の異変にいち早く気付き、初めに追いかけた彼女に。願わくば、未央を立ち直らせてほしいと思うのです。

 

・おわりに

 初めにとくれば終わりにがなければ。私が何を言いたかったかというと、6話の感想でニュージェネレーションズ全員がライブの成功経験に酔っていたかのような意見が少なからずあったのが気に入らない、少なくとも卯月に関しては違うだろうということです。但し考察なのでものすごく外れているような気しかしませんが。